2009年9月25日 (金)

ビデオカメラ1万円時代

日経ビジネスを読んでたら、こんな記事が出てました。

ビデオカメラが「1万円」国内外で価格破壊、ネット対応製品も存在感

エグゼモードという会社が出した1万円のビデオカメラが話題を呼んでいるようです。

また、おなじ号に、富士フィルムが途上国向けに出した低価格デジカメが人気を呼んでいるという記事も載っていました。

ウェブに簡単にアップロードできる低価格デジカメflipvideoを開発した会社がciscoに566億円で買収されたのも記憶に新しい。

これらは、汎用部品が低価格で入手できるようになったことと、台湾などでEMSが発達して、手軽に低価格の電子製品が作れるようになったことが大きいのです。

ここで大きなポイントとなるのは、ハードウェアの性能は大して求められていないことです。むしろ、そこそこのハードウェアでいいから、消費者に新しい体験をさせるアイデア、つまりソフトウェアの力のほうが大きなポイントとなるということになります。

i-Phoneのカメラも性能は決してよくありません。しかし、多彩なアプリケーションが魅力を増大させています。web界隈で話題のセカイカメラもそのうちの一つです。

ちょっと前に渡辺千賀さんの講演を聴きにいきましたが、シリコンバレーでも熱いのは上記のようなwebガジェットだそうです。ハードはそこそこで低価格に抑え、その分ソフトウェアのアイデアで付加価値をつける。そういうベンチャーが今盛り上がっているそうです。今時、半導体ベンチャーは、試作費用がバカ高くついて、ベンチャーキャピタルでは手に負えないそうです。

これから伸びるといわれるBRICS市場を狙っている日本の半導体メーカーには厳しい時代です。日本の得意とする高付加価値、高機能の半導体はボリュームゾーン、もしくはこれから伸びるゾーンからは必要ない時代ということなのです。性能を追求するより、安いデバイスをタイムリーに出すことが重要で、こういうのはどちらかというと台湾や中国のメーカーのほうが得意です。

高い技術を持っている日本の大手半導体メーカーにとって、ロースペックのLSIを供給するのは簡単そうに見えますが、高性能志向を追う技術者の思考を変えるのは簡単ではない。それより、なにより、ここで意味しているのは手抜きのLSIでいいということではなく、マーケティング優先の製品作りが重要ということです。低価格、ロースペックのLSIを追いすぎて技術競争力を失うことになれば、即台湾との泥沼価格競争になってしまうところが難しいところです。

売れ筋商品をタイムリーに出しつつも、独自の技術開発は怠らずに行っていかなくてはならないという時代になりました。

いっそ、マーケティング用にwebガジェットの会社を半導体メーカーも持ってみてはどうでしょうか。今時の半導体メーカーは社内に組み込み技術者やセットの技術者も抱えていますし、EMSの発達で初期投資も大してかからず高機能の電子製品を作れます。リソースは揃っているといえます。買収でも、社内の意欲的なエンジニアの抜擢でもいいので、webガジェットの会社を作ってみてはいかがですか?もしかすると古川電工から富士電機、富士電機から富士通が出来たように、親会社を凌駕する成長を見せるかもしれませんよ。

技術開発にしても、今までの微細化一辺倒より、TIのDLPのように独自デバイス開発に振り向ければ、レッドオーシャンの戦いにならずにすむし、なにより技術者の夢と希望をかなえることが出来るかもしれません。

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2009年4月30日 (木)

日本の半導体産業の行方

NECエレクトロニクスが、ルネサスという会社と合併協議開始したそうですね。
日本のシステムLSI業界は、NEC+日立+三菱、富士通、東芝、そのほか(ロームなど)と大きく分けられることになりました。

富士通の半導体部門は力が弱くて金融危機前からやばいと言われていたし、東芝のロジック部門も売りがない上ソニーから買った工場の負担があり、どっちも単独でやっていくのは難しいんじゃないでしょうか。

そして、NEC+ルネサス。正直、合併しても先行きは暗い。事業を強化するための合併というより、ライバルを一個減らしたという意味しかないように思えます。両社合わせて赤字は2600億円。従業員5万人。工場は分散しているし、製品も被りまくっているので、短期間でものすごいリストラをしないといけないでしょう。社内文化の融合にも時間がかかります。会社が立ち上がるまで市場が待ってくれるか。
しかも日立、三菱、NECの持ち株法適用関連会社になるそうです。親会社がなんと3つ。3つの親会社のご意向を伺いながらの経営は、大概身動きとれなくなるので、もう最悪ですね。エルピーダという同じ3社合弁の半導体メモリの会社は、同様の問題で沈み続け、一時会社清算の直前まで行きました。こういう会社は内部昇格では舵取りは難しいので、是非やり手のプロ経営者を外部から呼んで欲しいものです。

ローム、パナソニックなどはここまでの落ち込みではないですが、ロームもかつてほどの成長率じゃないうえに、OKI半導体の買収などが重なって楽ではないと思います。パナソニックはいつまで自社でデバイス開発をやるんでしょうかね?

半導体装置メーカーは更に厳しいようで、300mウエハ搬送装置世界最大手のASYSTが会社更生法を申請したようです。

TSMCやインテルなど、海外の半導体大手も厳しいのは厳しいのですが、必要な部分への投資は続け、着々と不況後への手を打っているような気がします。

もう日本の半導体メーカーは、ちまちまと合併や売却などを繰り返すのではなく、経産省主導で一度主要大手は全部解体し、1つのファウンダリと数個のファブレスに再編成するのが一番だと思います。日本の会社はIDMを標榜して垂直統合の優位性を強調していても、実態としてはファウンダリ事業とファブレスでもやっていける事業に分けられちゃうと思ってます。マイコンなんて別にファブレスでやったっていいと思うんですよね・・。とにかく工場は世界で戦える規模になって初めて展望が描けるでしょう。個別事業も工場を埋めるために赤字受注のようなことはせず、マーケティングと商品開発に力を集中することが世界で生き延びる道じゃないでしょうか。

ちなみに、外資メーカーの日本法人のリストラはすごいようで、失業した技術者が人材市場にあふれているようです。てか、成長市場はすでに中国やアジアに移っており、日本にデザインセンターを持つ意義はだんだん少なくなってきているんじゃないでしょうかね。日本の技術者の質を買ってもらえているうちはいいですが・・。

んー、半導体業界は、どんどん厳しくなってきてますね・・。しかし不況で逃げ場もないので、このGWは勉強します。

・・学生時代に内定を断った会社が好調で(平均年収が1300万円)、一瞬過去を後悔しかけましたが、負け犬っぽいのでそれは止めます。

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2008年9月18日 (木)

他社との提携を模索する富士通マイクロエレ

富士通マイクロが複数社と提携で協議を開始(ロイター)

富士通マイクロエレクトロニクスの岡田晴基社長は10日、ロイターとのインタビューで、国内外の複数の半導体メーカーと提携に向けた協議を開始したことを明らかにした。岡田社長は想定する提携内容について「開発、生産、事業統合までいろいろな選択肢がある」と述べた。来年3月をめどに合意を目指す意向だとしている。

 富士通の半導体事業は、本社と一体となってやる!とずっと言い続けていたのが、結局NECエレから5年遅れての分社化、そして社長の突然の退任とかなり混乱しておりました。しかも、ライバルに比べて事業規模が小さい。結構厳しいポジションで、他の会社との提携もしくは事業統合は避けられないと思われておりました。

 現在は日本勢としては大まかに東芝-NECエレクトロニクス-IBM連合、ルネサス-松下、ロームなど独立系という形になっております。このうち、NECエレは、昔からのライバル意識があるので、提携は難しいように思われ。東芝と組めば、NECとの関係を見直す可能性があります。ルネサスとはうーん、どうでしょうかねえ・・。

 富士通は半導体事業規模は小さいですが、スパコン用チップなど最先端技術には定評があります。バックに富士通本体という顧客も抱えているわけで、ここがどことくっつくかで日本の半導体業界再編はかなり変わってきそうですね。

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半導体業界の利益率は落ち続けている

 リーマンブラザーズや、AIGなど、今までブイブイ言わせていた金融業界が軒並みまずいことになって、世間を騒がせていますが、だからといって半導体業界はそれに比べればましかというと、そういうわけでもないようで・・・

iSuppli: Chip biz has lost 'money-making touch'(EE times)

アイサプライによると、半導体業界は、かつてはエレクトロニクス業界の中で相応の利益率をあげていたのですが、ここ数年はじわじわと落ちてきているそう。2004年は17-18%あったものが、2008年は一ケタ台の利益率しかないそうです。

アイサプライのCEOのLidowによると、業界は強者と弱者の二極化がますます進むそうで、他人のシェアの奪い合いで生き残れる時代じゃないそうです。会社が生き残るためにはますます戦略が重要になるというわけです。

しかし、僕が就職した2001年前後から、半導体業界はどんどん厳しい方向に向かっていく一方ですね。今まで日系メーカーは調子は悪くても業界全体としては好況という時期はあったのですが、ついに業界全体として踊り場というか低成長の時代が来てしまったということですね。

この中で、果たして日系メーカーは生き残れるんでしょうか。

まー、会社がどうこういうより、自分個人が業界で生き残れるよう、力をつけていかなければなりませんね。半導体技術者が生き残るためには、要求されるモノを作れる技術力もベースとして当然大事ですが、こういう時代には、どのような技術がこれから必要か、それをどう構築してどう事業として実現していくか、などシステムの構築能力や、人を引っ張って組織力で実現していくためのリーダーシップ、コミュニケーション能力がますます重要になっていくと思います。もちろん、個別技術に秀でた職人的なスペシャリストも必要ですが、要求されたことを実現するだけの能力では、どんどん待遇面で厳しくなっていく時代かなーと思います。

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2008年8月 1日 (金)

上半期の半導体メーカーの業績

各社2008年第2四半期の決算状況が出揃ってきたようです。

【決算】東芝,半導体で302億円の赤字もNANDの増産計画に「変更なし」(日経tech on)

フラッシュメモリの価格下落と、ゲーム用システムLSIの不振、ソニーから買い取った長崎工場の費用負担で、半導体部門が大幅赤字となったようです。

東芝は、メモリ事業を経営の柱とした以上、こういった利益の大きな変動はいわば宿命で、不振時をどう乗り切って好況時の利益拡大につなげるかがポイントですね。「不況時の積極投資」のセオリー通り、NANDフラッシュの増産は続行するようです。ただ、昨日のセオリーが今日は通じないのが半導体の世界ですからね・・。どこまでマーケットを読んでの投資判断かがキーポイントですね。

ルネサスの08年第1四半期、会計基準変更などで営業赤字(asahi.com)

携帯向けシステムLSI、マイコンなどが伸び悩んでいるようですね。また、会計基準変更が、営業赤字に影響しているそうです。

海外はどうかというと、

【決算】半導体大手UMCのQ2決算,ウエーハ需要回復するも大幅減益(日経tech on)

売上は増加したようですが、利益は前年同時期に比べて、半分近くに落ち込んだようです。

業界が全体的に不調な中で、ちょっと際立ったのが、NECエレ。

【決算】NECエレ,通信機器向けが不調も4期連続の営業黒字を達成(日経tech on)

売上が落ちたものの、研究開発費や販売費などの費用削減で営業黒字達成だそうです。

赤字が長らく続いていたので、4期連続の黒字達成は喜ばしいですが、リストラ効果ですから、まだ本調子ではないといえますね。特に、研究開発費の削減は、蛸が自分の足を食っているようなものでは・・と気になります。

第3四半期は、どの会社も市況が非常に厳しいと口をそろえています。はあ・・・・今年はオリンピックイヤーだというのに、なんとも景気の悪い話ですねー。

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2007年9月17日 (月)

ソニーの半導体売却について

久しぶりに記事を書きます。どーも忙しくなるとさぼりがちになって・・。

半導体の先端デバイス開発を止めたソニーですが、今度は工場売却を決めたようですね。
マスコミでは、すべて内製する垂直統合モデルから、水平分業モデルへの転換の象徴のように言われてますが、ライバルの松下はデバイスから自分達で作る垂直統合で業績が上向いているんですよね。それをおいかけたソニーはなんだかうまくいかなかったと。なんででしょう。

水平分業モデルの象徴みたいな形で、インテルがよく引用されます。インテルは、MPUに特化してパソコンは他の会社に任せ、協力してPC市場を広げることにより大きな成長を遂げたと。ソニーも、上から下までなんでもつくらず、得意なところに特化するのがいいんじゃない?と。でも、久多良木さんはCELLプロセッサを作ることによって、ソニーをインテルみたいな会社にしたかったんだよね。CELLプロセッサをあらゆる家電に埋め込んで、それをネットワーク化し、膨大な計算容量を実現することで、広大なバーチャル空間を生み出し、人類の歴史を塗り替える。そんなビジョンがCELLにこめられていたはず。そのシナリオに乗れば、CELLは広く大量に外販することになるので、自社生産が有利になる、とのストーリーだったのだと思います。一般に半導体生産は、数量が多いほど一個あたりのコストは下がっていくのです。
しかし、とっかかりのPS3が予想ほど売れなかったことで、すべてが崩れたのでしょう。数量がさばけなければ、原価は下がらないし、PS3以外の家電製品にはハイスペックすぎるCELLプロセッサを乗せられるようなニーズも現状では出てこない。インテルアーキテクチャを超えるCPUを作ろうという野心的な試みは、ハイスペック(とハイコスト)ゆえに、使い道がないという皮肉な結果になってしまいました・・・。
そして、久多良木さんは責任をとらされてソニーを首になり、CELLプロセッサは単なるゲーム機の画像処理用プロセッサという位置づけに押し込められて、ソニー戦略の中軸からは外される。
ていう文脈でしょう。

ソニーの社風と規模だからこそできた壮大な実験ですね。2千億以上の投資をしてますからねー。CELLのプロジェクトが進行中は、ソニーの技術者は「CELLがこけたらソニー潰れるから」と嘯いてました。
うーん、諸行無常・・・・・・

おれが思うに、ソニーは久多良木さんの技術信仰ゆえに、アプリケーションよりビジョンと技術に走りすぎちゃったのが根本的な失敗だったと思います。インテルのプロセッサだって、小型電卓を出したいというニーズから出発してますからね。久多良木さんは稀有壮大なビジョンは語ってましたが、PS3以外に具体的にどういう形でCELLを使用した製品を出していくのか、さっぱり分かりませんでした。こんな用途があいまいなデバイスにあんな巨大な投資をして大丈夫なのか?とかなり懸念してたんですがね。
松下の場合は、自社の製品の半導体のプラットフォームをある程度共通化したい、というニーズがあったので、自社生産の意味もあるのでしょう。

経営者はビジョナリーであることが大切ですが、足元もちゃんと見ることも同じくらい大切ですね。

ただし、CELLプロセッサは技術的にはものすごいデバイスだと思うので、時代がついてくれば、ニーズが出てきて息を吹き返す可能性もなくはないと思います。それに、スクラッチから新型プロセッサを作る機会なんてそうはないんで、技術者の教育という観点ではものすごく貴重な機会だったんじゃないでしょうか。そういいう意味で、無意味なプロジェクトではなかったとは思います。

それと、垂直統合モデルと水平分業モデルの話ですが、あんまり二元論で語るのは意味がない気がします。そのデバイスを自社で作ることが競争優位になるのなら作ればいいし、外と協力したほうが競争優位になるのなら、そうしたほうがいい。ケースバイケースです。ただ、ロジック半導体プロセスに関しては、技術的な差異をつけるのが難しい上、微細化にともなって生産のための投資が大きくなり、そうとうの数量を見込める製品がなければ、ペイしません。数量が見込めないなら、生産専門の外部会社(ファウンダリ)に任せたほうが、ビジネス的には有利な判断になる可能性があります。

そんなこんなで先端ロジック半導体の自社生産を止めたソニーの決断は正しいとは思います。ただ、担当技術者は、東芝との合弁会社へ出向扱いになるようですが、戻り先はないので事実上のリストラでしょうね・・。
弊社からも給料とブランド名に惹かれて多数の技術者がソニー様へ転職したのですが、まさか2,3年でこんなことになるとは、彼らの運命も多難ですなー。
あーあ。

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2007年2月12日 (月)

TIが32nm以降のプロセスの自社開発中止

TI,32nm以降のロジックLSIは自社開発せずファウンドリに委託

Intel、samsungと並んで設計から生産まで自社で行う垂直統合型の代表格であるテキサスインスツルメンツ(TI)が32nm世代以降の自社開発をやめてしまうという、関係者にとっては衝撃的な記事です。

TIが45nm世代でプロセス技術の自社開発を終了するのは,DSP(digital signal processor)など主力のデジタル製品向けロジックLSIである。32nm以降の開発は,TSMC,台湾United Microelectronics Corp.(UMC),中国Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)を含む提携ファウンドリに委託する。なお,アナログ製品向けLSIの自社開発は引き続き継続する。今回の決定の理由について同社は,「ファウンドリ各社のプロセス開発能力がわれわれと同等の水準に高まったことで,委託という形で開発を一本化したほうが効率が高まると判断した」(日本テキサス・インスツルメンツ)としている。

 日本の大手メーカーは垂直統合型モデルが多いのですが、その根拠はプロセスが微細化してくると設計とプロセス技術を一体にして開発しないとうまく立ち上がらない点で、ファウンダリより垂直統合型が有利ということでした。ただ、先端プロセス開発はコストが飛躍的に増大するため、各社の利益圧迫要因になってます。TIは、ファウンダリの先端プロセス開発能力を垂直統合の自社の能力と同等以上と認めたということですね。プロセスの研究開発能力に定評のあるTIの決断だけに、注目されます。

製造関係の技術者は、アナログ向けプロセス開発などに振り向けるようです。

ただ、最近TIに転職したばかりのデバイス技術者の元同僚の処遇がどうなるのかは、少々気になるところですね・・・。

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2007年1月10日 (水)

iPhone登場

前々から噂され、どんな形になるかこんな風に予想されたりして騒がれてきたiPhoneですが、ついにMAC Worldにて発表されました。

Indexhero20070109

appleの公式サイト

日経の記事

フルスクリーンのタッチパネル方式で、iPod、webブラウザ、メールソフトなどの機能が入っているようです。まず、アメリカでの発売が6月で、シンギュラーワイヤレスのGSM方式での携帯サービスになるようです。次がヨーロッパで2007年後半、アジアでの発売は2008年になるようです。

しかし、最後発でもこのデザイン、うう・・・・欲しい・・・。日本ではすぐには使えませんが、とりあえず手にとって見たくなるこの魔力はずるいなあ。もう、アップルはコンピュータ家電のブランドでは別格ですね。

ちなみにアップルは社名からコンピュータの文字を外すらしいです。

MacWorldには禿のおじさんが来ていたようですが、日本で出してくれるのかな?

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2006年12月29日 (金)

個人的2006年半導体10大ニュース

 今年も無事仕事納めをしたちぶぞうです。今年も半導体業界は、いろいろありましたね。今年のまとめとして、個人的に気になった今年の半導体業界10大ニュースを選んでみました。

1.ソニーからPS3発売(11月)

http://www.sankei.co.jp/seikatsu/trend/061201/trd061201006.htm

これは、ついにソニー/IBM/東芝の開発したプロセッサCELLが世に出たという意味で取り上げました。やっぱ、インテルプロセッサ全盛のこの時代に、あえて新しいプロセッサアーキテクチャを世に問うという壮大なプロジェクトは、意味が大きいと思います。

CELLの開発にしても、PS3にしても、ビジネス的にはリスクが大きすぎるとの批判が大きく、自分もPS3以外への搭載が不透明なCELLに何千億円もの投資をすることにはちょっと疑問がありました。

しかし、このような時代を先どった革新的なチップを世の中に送り出したということの意義はやっぱり大きいなと最近は思い始めています。スーパーコンピュータ並みの性能を持ったチップを世の中にばら撒き、それをネットワークで繋いで巨大な演算器を世の中に出現させるというビジョンはすぐには実現しないかもしれませんが、時間がたって時代が追いついてくれば、CELLは世の中を革新させる種になるのではないかなと思います。このようないわば技術者の思いが先行したようなプロジェクトに巨額の投資をして実現させられるのは、ソニーくらいしかないかもしれませんね。その果実を受け取るのはソニーではないのかもしれませんが・・・。

余談ですが、PS3といえば発売日のこの混乱もネット界を沸かせましたね。

2.日系ファウンダリ計画挫折(6月)

「独立ファウンドリの検討は日立が主導,企画会社社長は元NECエレ副社長の橋本氏」

「日立ら,半導体ファウンドリの事業化を断念」

1月に企画会社が立ち上がって6月には断念という電光石火のプロジェクトでしたww

東芝、ルネサス、日立が企画したというのですが、65nm世代の受諾生産という計画自体が微妙でしたし、日立が主導する言い分が「セットメーカーだから公平に舵取りできる」というのもセットメーカーでもある東芝が本当に納得してたのかどうか。

東芝は独自路線でさっさと距離を取り出しましたし、NECエレなんかの大手も見送ってしまい、結果お流れとなってしまいました。

しょうがないといえばしょうがないのですが、こういう共同の受諾生産会社の構想が立ち上がるというのは時代の流れなんだと思います。確かに、先端プロセス開発は恐ろしく金がかかるようになってきており、生産工場への投資は1000億円単位が当たり前という時代になってきております。日系半導体メーカーは海外大手と比べて投資体力は少ないので、考え方自体は間違いではないと思います。

日系半導体メーカーは生産は一つの会社に集約し、他は分野ごとに再編して製品企画力や設計力で勝負するのが合理的なのかもしれませんね。ただ、そこまでまとまるのは各社の思惑やメンツで非常に難しいと思います。

3.東芝・NECエレクトロニクス・ソニー45nm開発で提携(2月)

4.IBM,ソニー,東芝,32nm世代以降の最先端プロセスを共同で研究開発(1月)

NECエレ,ソニー,東芝の3社が45nm世代のプロセス技術共同開発で合意

IBM,ソニー,東芝,32nm世代以降の最先端プロセスを共同で研究開発

日系ファウンダリの企画と前後してこのような提携の話が出ました。いきなり会社を集約するのではなく、協力して開発しようというマイルドな方向を選択したのですね。

NECエレと東芝・ソニーという組み合わせは、技術的メリットのほかに社風の相性もよかったという話も聞きました。

また、東芝・ソニーは、32nmでIBMとも共同開発をしていく方向ですね。

このように最先端プロセスを共同で開発していくという流れは今後も続くと思います。

日系メーカーは東芝・ソニー・NECエレと、ルネサス・松下と富士通という3大グループに現状なっていますが、日本に半導体メーカーは1~2社で十分という説もあるので、2007年はまだまだ業界再編は続くかもしれません。

6.フリースケール、176億ドルで投資ファンドが買収(9月)

フリースケール、176億ドルで投資ファンドに身売り

 今時の半導体専業メーカーも投資ファンドの買収対象になるのかということと、買収価格が約2兆という巨額なことにびっくりしました。

フリースケールはモトローラから独立してから業績はいいので、買収価格も高めに設定したのでしょうか。ひるがえって、日系メーカーはどうなのでしょう。技術、人材などリソースは十分にあるが、経営が上手くいかず低迷しているところが多く、投資ファンドから見ればお買い得な会社が多いのではないでしょうか。2兆円も調達できれば、国内の大手半導体メーカーを全部買収して強制的に再編し、高い株価で売り抜けることが可能そうです。

実際は、世論や国の抵抗が強くて困難なのかもしれませんが・・・・

しかし、来年は株式交換による海外企業からの買収も解禁されますし、このような買収話が国内メーカーで起こってもおかしくないですね。

7.エルピーダメモリ,売上高と営業利益がともに過去最高に(10月)

8.エルピーダ、台湾に半導体工場・合弁で交渉、8000億円負担(12月)

エルピーダメモリ,売上高と営業利益がともに過去最高に

エルピーダ、台湾に半導体工場・合弁で交渉、8000億円負担

今期はDRAMの価格が上がり、DRAMメーカーは好調だったようです。特に坂本社長率いるエルピーダは積極投資が効いて、今期は過去最高の業績だったようです。従業員にはボーナスのほかに一時金が出たそうです。

しかし、エルピーダは3~4年前は、どこからも見放された絶望的な企業という感じだったのが、よくここまで回復したなーという感慨を覚えます。半導体企業でも、経営者に力量でここまで変われるという見本でしょうか。

基本的に坂本社長の経営姿勢は積極投資のようで、次は台湾に8000億円を投じて工場を作るそうです。すごい投資金額ですね。このくらいの投資姿勢でいかないとDRAMメーカーは回していけないということでしょうか。経営者にある種ばくち打ちのような度胸がないと勤まらなそうです。今後5年で世界一のDRAMメーカーを目指すそうなので、注視したいと思います。

9.大手半導体メーカー、業績に明暗

【決算】東芝は652億円の営業益,電子デバイス,社会インフラが好調

【決算】NECエレクトロニクスは69億円の赤字,2006年度の通期予想を下方修正

今期はメモリ需要が高かったこともあって東芝は好調でした。一方のNECエレクトロニクスはロジック事業をまだ上手く回しきれておらず、6期連続の赤字に陥ったようです。ルネサスはなんとか黒字確保のようですが、好調とはいえなそうです。

一昔前の「選択と集中」ブームに乗って分社したNECエレとルネサスがそろって業績が思わしくなく、社内においたままの東芝が業績が上向いたというのは皮肉です。

東芝はフラッシュ、エルピーダはDRAMで利益を稼いでいるということで、結局日系メーカーはTIやインテルのようなロジックでのビジネスモデルをまだ見つけられていないということですね。好調な東芝もロジックはいまいちさえないようです。基本的に半導体工場は単一製品を大量生産することに向いているので、ロジック事業もユーザーの要求の公約数をどのようにくみ上げて標準化するかというところに知恵の使いどころがあると思います。

10.半導体の世界市場は11.3%増,Intel落ち込みAMDが伸びる

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20061214/125418/

盛者必衰の理といいますが、かの王者インテルも、時代の変化では思うようにいかないのだなあと感じました。

まあ、シェアも利益率もまだまだ高いのですが。

単一コアからマルチコアにプロセッサ技術のフェーズが変わるところで、昔からインテルに対抗するニッチ技術を鍛えてきたAMDが時代の流れを掴んで伸びてきました。

やはり、チャンスは時代が変化するところにあるんですねー。

さて、私の考えた半導体業界10大ニュースはこんな感じです。来年はいったいどうなっているでしょうかね。

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2006年12月20日 (水)

今年のまとめ:今年の半導体業界は

最近、半導体業界の話題を書かず、自分の身辺日記と化しているはんどー隊ブログです。まことにすいません。

さて、年の瀬も迫ってきたので、今年のまとめをいろいろと書いてみようと思います。

2006年の半導体売上ランキング予想が今年も各調査会社から出てまいりました。

EETIMESによると、ICインサイツ社は上位15社をこのように予想しているようです。

http://www.eetimes.jp/contents/200611/12313_1_20061102154316.cfm

20061219 

ガートナーは10位までのランキングを出しています。

ガートナーとICインサイトでは、ファウンダリやファブレスの計上や、分社した会社の売上の扱いが違っているので、ランキングに若干違いがあります。

しかし、共通した傾向はいくつかあります。

まず、インテルの失速です。1位はキープしていますが、売上が1割ほど減ってしまいました。対照的に順位を伸ばしたのがライバルのAMDで、ガートナーでは初めてトップ10に入りました。微細化による低コスト化と高性能化の両立が年々難しくなり、いち早くマルチコア技術に着目したAMDに製品の優位性を奪われてしまったというところでしょうか。時代の移り変わりを感じますね。しかし、インテルも圧倒的な資金力でマルチコアCPUを開発しているので、来年はどうなるかわかりません。

2位のサムソンも定位置キープです。ただ、ここも一時の50%もあった圧倒的な利益率が低下してきています。企業として成熟してきているということでしょうか。そのかわり、同じ韓国のハイニックスが大きく伸びたようです。

さて、日本はというと・・・大手は軒並み順位を下げたみたいですね('A`)

まず、ICインサイツで4位(ガートナーで5位)の東芝は、NANDフラッシュでかなり売上を伸ばしたみたいですが、円安の影響で順位が伸び悩んだようです。

ルネサスは、ICインサイツ・ガートナーともに7位です。合併してからじりじり順位を下げてますね。株式上場はするんでしょうか。てか、未だに日立の姿が見え隠れしているのは大丈夫なのでしょうか・・?

そして、NECエレクトロニクスは、とうとうトップ10から落ちました。かつての世界1位はどこへやら・・。順位が落ちるたびに「2位くらいが風当たりが少ない」とか、「DRAMを切り離したから」とか、言い訳ばかりでしたが、今回もあまり危機感を感じられません。こんなんで大丈夫なんでしょうか。

日本勢では、エルピーダが順位を上げたみたいです。今年はDRAMが好調で、積極投資が当たったみたいですね。一時はどこからも見捨てられていた企業をここまで復活させるとは、坂本さんはやはり只者ではないですね。

今年は、NECエレ・東芝・ソニーが連衡したり、日立が音頭をとった日の丸ファウンダリの企画が潰れたりと、日本の中で業界再編を模索した年でした。

でも、まだ中途半端さが否めないですね。

日本の半導体の凋落振りは、いろいろな人が分析していて、処方箋がこれでもかと出されています。

先日も、日経Tech on!に、阪大の赤坂先生という方のインタビューがのっていました。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061218/125560/

みなさんおっしゃることは大体一緒なんですよね。技術者の能力は優秀だが、経営判断が遅い、低コスト化を怠った、DRAM黄金期の感覚から抜け切れていない、アジア市場で出遅れている、そして日本に半導体メーカーが多すぎるetc・・・

この程度のことは、経営幹部なら何度も聞いたり読んだりしているはずなんです。なぜ実行しないのか。そこのほうが知りたいですね。

この業界にいるとですね、企業の業績というのは、技術力だけではどうしようもないというのが骨身にしみます。エルピーダの坂本社長を例に引くまでもなく、やはり、経営力というのがものすごく大きいキーポイントですよね。技術力はベースとして必要ですが、それを企業の業績に生かしていく力がそれ以上に必要なんですよね。

半導体の技術力を生かしてこの先伸びていける企業形態、企業経営とはなんだろう?いやおうなく考えさせられます。

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2006年10月16日 (月)

you tubeの広告ビジネス

世界に冠たるgoogle様が、you tubeを買収したことが世界中で話題になってますね。

いろんな人がいろんなことを言ってますが、大きな関心の一つは、ビジネスをどうするの、ということですね。

例えば、下の記事

「グーグル的な人々」、大増殖の脅威

では、

これまでテキスト(文字)中心でやってきたグーグルが動画情報を取り込もうとしているわけだが、グーグルが提供する「検索」あるいは「情報の整理」という価値は、動画の世界ではどれほどのものなのかは全くの未知数である。 (中略)そもそも、人々の動画へのニーズはエンターテイメント性やひまつぶしといった要素が強く、「整理」や「有用性」の価値がテキスト情報とは違う。ひまつぶしや娯楽のためにユーチューブを利用しているユーザーの「意図」はどれほどの意味があるのか。「検索」「情報の整理」というグーグルの基本理念がこの分野でどのような効果を生み、広告主を引きつけるのかが今回の買収が成功するかどうかのカギになる。

などということをおっしゃっております。

でも、自分の意見としては、

動画の検索、広告ニーズのほうがよっぽど強いすよ。

たとえば、最近始めたパチカなるおもちゃがあるわけですが、やり方がよくわからないので、とにかく上手い人のプレイを見たいわけですよ。そのとき、おもむろにyou tubeでパチカを検索すると、たちどころに達人が出てきます。そんでその動画を堪能して憧れを強めます。でも、達人の技は早くて複雑でよく分からない。そこで、技を解説した本が欲しくなります。あるいは、それを見てパチカそのものを購入したくなったりするわけです。そのときに広告があれば、かなりニーズをついたものになるはずです。これはダンス、料理、音楽、あらゆる習い事、あらゆるカルチャーでいえると思います。

そもそも、テキスト検索での広告モデルがgoogleの成功要因といわれますが、googleアドセンスなんかは、それほど広告効果がないのでは、という話も聞きます。テキスト検索による広告モデルより、もしかすると動画検索の広告モデルのほうが、よほど消費者の需要を強く突くようなものが出来る可能性があると思います。

それこそ、google技術者の腕の見せ所で、googleのドル箱になるんじゃないでしょうか。

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2006年9月28日 (木)

REITIの研究員が語る日本の半導体業界

REITI(経済産業研究所)のファカルティフェローの中馬さんの、「日本の半導体メーカーの競争力低下要因と今後の対策とは」と題するインタビュー記事を見つけました。

http://www.rieti.go.jp/jp/special/af/024.html

彼も、以前紹介した一橋の新藤レポートと同じく、半導体業界の低迷は経営と組織の問題であるといっております。

曰く、今の半導体メーカーは、マーケットと技術の複雑さの増大についていけていない。

グローバル化や豊かさによってマーケットが再分化、専門化して複雑になっているのに半導体メーカーは時代を読む力が足りない。さらに、製品を具現化するためのテクノロジーも微細化に伴って飛躍的に専門化、細分化し、さらにそれらを統合的な視点から判断しなくてはならないが、これらを的確に処理できない。

すべての情報を網羅して経営できる人間は存在しないので、個々の知識をネットワーク化し、その上に更に抽象度の高い統合的な知識を構築できるようなシステムが必要である。

また、一社だけですべてまかなうのが難しくなってくるので、必要に応じて他社とのアライアンスも組むべきで、その場合は流出してはならないノウハウ・知識をブラックボックス化してモジュール的に活用できるような仕組みが必要である。

大まかにいうと、こんなことをおっしゃっています。今はやりの「オープンイノベーション」に基づいた考え方で、興味深い指摘だと思います。

ただ、現場にいるものに言わせると、半導体メーカーの不振の大きな原因はこんな高尚なことより前に、経営者がリスクの取れないサラリーマンだから、というほうが大きいと思います。経営をドラスティックに変えなくてはならないのは分かってても、それに伴う一時的な売り上げ減のリスクは先送りしたい・・そんな心理の方が、大きな問題だと思います。

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2006年9月 7日 (木)

戦略思考の視点から見たNECの混迷の本質

一橋大学の新藤先生という方が、日本の半導体産業の低迷をNECの半導体事業を事例にとって述べた論文を知り合いに教えてもらいました。

「半導体産業のパラダイムシフトとイノベーションの停滞―戦略思考の視点から見たNECの混迷の本質」一橋大学イノべーション研究センター

これによると、NECでは旧来の思考様式や制度に基づく戦略やビジネスモデルにとらわれ、市場のパラダイムシフトに対応できないのが低迷の原因であるということです。

具体的には、デパートメント型から専門店型へ、付加価値のハードからソフトへの移行、売れ筋市場のASICからASSPへの移行、市場のグローバル化などについてこれなくなったということです。これは、ファブレス市場シェア、アジア市場シェアなどとNECの市場シェアが-1に近い負の相関係数をもっていることからデータ上もはっきりしています。

これらを克服する提案として、組織学習をダブルループ学習、つまり創造的破壊を起こす学習に転換すべきだと書いています。

詳細は、レポートをご覧になってください。

これらの主張は、日経マイクロデバイスなどの業界紙にも似たようなことが書かれていて、目新しさはないという意見を周りの人からもらいましたが、自分としては、日ごろ感じていることをうまくまとめているなあと感じました。この構造は、NECだけではなく、大手半導体メーカーに多かれ少なかれ似たようなものがあると思います。これだけ詳細にまとめたレポートがただで手に入るところが、ネット時代さまさまですね。

でも、逆にこの程度のことは、大手メーカーの幹部も散々指摘されてみな認識しているはずなのですが、分かっているのに変えられない、というところに問題の根深さを感じます。

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2006年8月22日 (火)

オープンソースハードウェア

昔、半導体のIPをオープンソースにしたらどうなるかという話を記事にのっけたのですが、日経のサイトを見てたら、シリコンバレーでこれを実行しようとしているグループがあるという記事を見つけました。

オープンソース・ハードウエア」に注目

こんなことを本当に考えている人がいるんですねー。

ソフトウェアと違って、半導体回路を趣味で作ろうという人は少なそうだし、金もかかるから、なかなかオープンソース化するのは難しいと思いますけど、大学が率先して開発したIPを開示すれば、面白い流れかもしれませんね。

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2006年6月 4日 (日)

日の丸半導体ファウンダリ計画挫折

日の丸ファウンダリ構想がスタート前に頓挫したようですね。
日立と東芝とルネサス3社、先端半導体の共同生産計画を白紙に(日経)

先端プロセス投資が莫大になる昨今、日系メーカーがまとまって生産会社を共同立ち上げするという構想事態はとても合理的だと思われたのに、なぜ挫折してしまったのでしょうか。

まあ、NECエレが構想に入らず、東芝が距離を置き始めた時点で理想と乖離してしまっていて失敗の予感を漂わせていたのですがね・・。

それに、そもそも企画会社の構成が複雑です。共同3社のうち、半導体メーカーはルネサス、東芝だけで、日立はLSI事業の大半をルネサス、エルピーダに移管しています。研究部門しか残していない日立がこのプロジェクトになぜ首を突っ込みたがるのか謎です。ルネサスに任せたほうが、企画会社の構成がシンプルになったんじゃないかと思うんですけど・・。

さらに企画会社の社長は、元NECエレクトロニクス副社長の橋本浩一氏です。なぜ、プロジェクトに入っていない会社の元幹部が起用されたのかも謎です。しかも、橋本氏はNECエレの後になぜかライバル会社である日立の嘱託になっており、出身会社との微妙な関係が見え隠れしますが・・。

このプロジェクトには経済産業省も絡んでおり、結局さまざまな方面の意思をまとめきれないうちにNECエレ-東芝協業など世の中のほうが進んでしまい、いいビジネスモデルが描ききれなかったということなんでしょうね。

早めの手仕舞いは、ASPLAの二の舞を畏れてのことでしょう。

しかし、日系メーカーの投資体力の競争力の問題は残るので、業界再編の火種は残ります。
東芝-NECエレ-ソニー連合に対して、残るのはルネサス-富士通-松下連合というところでしょうか。沖電気はどうするんでしょう?
しかし、この絵は、経済産業省が4~5年前に描いていた東芝-富士通、日立-三菱-NEC連合とちょうど逆の結果になってますね。もう、日系メーカーが役所のいうことを素直に聞く時代じゃないということでしょう。

理屈でいえば、日系メーカーの生産部門は統合して投資効率アップ、企画設計部門はそれぞれ特徴のある製品群ごとにファブレスメーカーとして別会社として生まれ変わらせる、というシナリオを立てられるのですが、実際は各社の社風やシステムの問題、技術力の適応の問題、さらに各社のメンツや会社の支配権の取り合いなどさまざまな要素が絡んできてその通りにするのは難しいでしょうね。
ということで、この先日系メーカーがどうやって生き残っていくのか、僕もなんともいえません。

橋本氏は企画会社設立に当たって、雑誌取材に日系ファウンダリ構想について熱く語っておりました。
こういう人材を日の目を見る前に埋もれさせてしまうのも惜しいですね。また復活して日本の半導体業界を盛り上げる活躍を見せて欲しいです。

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2006年5月15日 (月)

ゲーム見本市E3での三者三様

E3という、ゲームの見本市が5/10~1/12にロサンゼルスでありました。

今、コンピュータゲーム業界といえば、ソニー、任天堂、そしてマイクロソフトの3社を軸に回っているのは言わずもがなですね。E3の期間中に、この3社のトップが次世代ゲーム機の展望についていろいろ語っているのですが、その違いが見事に会社の思想を体現していて面白いです。

まずは、マイクロソフトのビルゲイツ氏。

【E3速報】Bill Gates氏も登壇したMicrosoft社の発表会

ゲームに対する理念とか、ゲーム機のテクノロジへの思い入れなどは一切語らず、シェアとビジネス戦略中心の講演になっています。あくまでゲームは自社の事業の一つ以上のものではないという感じです。PCでの、ビジョンを語るアップルに対するビジネスまい進のマイクロソフトというイメージがなんとなく重なります。

次はSCEの久多良木氏

「PS3は買ったその日から進化する」と久多良木氏

こっちはこれでもかというくらい熱い思い入れとビジョンを語ってくれてます。

久多良木さんの場合は、テクノロジ信奉者という感じがします。とにかく最先端の技術ですごい性能のハードを作るから、市場は俺についてこいといった感じ。最新技術を詰め込んだPS3に対してソフトウエアがついてこないという「重厚長大主義」という声に対しては、

みんなは「重厚長大主義」という言葉によって,新技術に挑戦しないエクスキューズ(言い訳)にしてはいないだろうか。

と言っているあたりがそれを象徴している感じがします。最新の技術と独創的なビジョンで新しい市場を作るから、ユーザーもサードパーティも俺についてこいというあたりは、いかにもソニーらしいスタンスだなあと感じます。ただ、久多良木氏は

PSを始めたときから僕らはいつも,顧客と一緒にいたという思いがある

と言ってます。PSP問題を経験した人には突っ込みどころたくさんでしょうが・・。最近のソニーはそれが独善になって空振りする傾向があるので、そろそろ盛り返してきて欲しいところです。

最後に任天堂の岩田社長。

【インタビュー】「失ったものを取り戻したい」 任天堂岩田社長が「Wii」に込めた想い

次世代機はインターフェースにこだわったらしいのですが、久多良木さんと対照的に最先端技術への思い入れみたいなものは特に感じません。

任天堂は,どうやったらゲームを楽しんでくれるユーザーを増やせるか,この命題に数年間,挑み続けています

こういったことを言い続けているあたりに、ユーザーがどのように遊んだら一番楽しいかということに対して一番力点をおいていると感じます。正直、ゲームに対する思想という点では、やはり任天堂が一番深く考えている気がします。携帯ゲーム機ではその思想がことごとく当たっているわけですが、据え置き型ではどうでしょうか。

ソニーもマイクロソフトもハードをゲーム機にとどまらず家庭のプラットホームコンピュータみたいな位置づけにしたいみたいですが、原点を忘れたらすべてがパアです。ユーザーからすれば、どんな思惑でメーカーがゲーム機を作ったとしても、最終的にゲームが面白くなけりゃ買わないですよね。

なんにしても、ゲーム機が売れれば、それに使う半導体も売れます。各社の思想を体現するほど力を入れたゲーム機なので、どこでもいいから、世界的な大ヒットを飛ばして半導体業界に好景気をもたらして欲しいもんです。

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2006年4月21日 (金)

東芝のNECエレクトロニクス買収可能性

 昨日、何気なく日経新聞を読んでたら、株式のページに「攻める東芝」かなんかという題のコラムにこんな内容のことが書いてあった。

東芝がウェスチングハウスを6000億円で買収するということで話題だが、買収先の検討にはもう一社、NECエレクトロニクスが含まれていた。NECエレクトロニクス買収については親会社のNECと協議したが、株の持分比率で交渉が成立せず、買収は白紙になった。

なんか、さらっと書いてあったのですが、実現してれば半導体業界の巨大再編ですよね。現在も45nm世代開発ですでに提携してますが、吸収合併まで考えていたんですねー。

NECエレと東芝は事業補完の関係にあるので相性がいいといわれてますが、所詮は日系企業同士なので、合併が実現した日には、NECエレにはリストラの嵐が渦巻くでしょう。

と、思ってたら、NECの業績予想が下方修正というニュースが。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060421/116454/?ST=observer&ref=rss

なんと、NECエレは980億円の赤字見込みだそうです。もう、潰れそうな勢いの赤字額ですね。

ただ、これで株価がどんと下がれば、いっそう買収はしやすくなるので、もしかして業界再編の引き金になるかもしれませんね。

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2006年4月19日 (水)

東大で電気電子が人気ないらしい。

日経ビジネスオンライン「東大で電子工学の人気が急落中」より

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20060417/101387/

東大の「電気電子」(通称電電)といえば、この筆者のいうほど「超人気」ではなくても、そこそこの人気を保つ安定した人気学科というイメージが強かったんですが、最近は人気ないんですか。びっくり。しかも、情報関連もあんまり振るってないですね。

やっぱ、最近の半導体業界や電機業界の不振がイメージを悪くしてるんでしょうね。

業界不振→人気急落→優秀な人材集まらず→さらに弱体化 の負のスパイラルにはまりかけてますね。

確かに昔の底点学科といえば、船舶に冶金とかだったから、学生は正直に斜陽産業化を感じてるのかもしれませんね。いやー、へこむなー。

それと、昔はなかった新しい学科が目に付きます。「社会基盤」とか、「システム創成」とか、一見して何を勉強するのかよく分からない学科が増えてます。

この記事にあるように、日系のメーカーは一般的に技術者をあまり厚遇してないという点はあると思います。特に伝統的な電機メーカーというのは給料が安いというのが相場になってます。

優秀な理系学生がいるとして、三菱商事や三井物産のような一流商社を就職先に選んだ場合と、NやHのような電機メーカーに技術職として入った場合とでは、年収に倍くらい差がついちゃいますね。

学生が「おれはものづくりがしたいんだ!金じゃない!」と熱い気持ちで技術者を目指したとしても、すごく優秀な人がめちゃくちゃ働いても生活レベルはぼちぼちという現実を見れば、まあ萎えますわな。

一見してよく分からない、文理融合の学際的な学科に人気が集まるのも、こういったことがあるんじゃないかなと思います。

やっぱ、エンジニアの待遇改善!そして、業績向上!ですね。業界にいる自分たちにも責任の一端はあるんで、頑張りますよ。

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2006年4月18日 (火)

インド初のDRAM設計開発企業

「インド初のDRAM設計開発企業,エルピーダがFTDと共同で設立」

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060413/116102/?ST=observer&ref=rss

ついに、日系半導体メーカーもインド進出しだしたか、という感想です。

IT産業が盛り上がっているインドなら、半導体設計とも相性がよさそうなので、人件費の安さから言って、これからもどんどん進出する方向でしょうね。

製造は中国、台湾、設計はインドと次々アウトソーシングされたら、国内の半導体技術者はますます厳しくなりますなあ、ガクガクブルブル。

ただ、IT技術者というと、現地では医者、弁護士と並ぶくらいあがめられている職種ですが、セミコンダクタエンジニアというと、まだ「ハァ・・・」といった程度の認知度です・・・。

このFTDの川西剛さんという人は、元東芝の副社長で、半導体といえばいろんなところに顔を出す人です。もう相当なじいちゃんだろうに、こんなシンガポールベンチャーの経営陣に入ってるんですね。

がんばってますなあ。

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