2012年5月23日 (水)

ミッションステートメント

今年3月で無事卒業したグロービス経営大学院の卒業式が先日開催された。
そこでは、卒業生一人一人がミッションステートメントというのを発表するので、僕も発表しました。
その内容を記しておきます。


僕がいまんとこ、ミッションだと思っているのは、「人は思ったより出来る(We can do more than we think)」ということを示すことです。
 グロービスのMBA入ったときは、「海外留学経験もないのに、英語のパートタイムMBA入るの?難しいんじゃない?仕事と学校のスケジュールで死ぬことになるよ?」と言われました。
 去年、フルマラソンも走ったことないのにサハラ砂漠レースに出たときは、「冗談は顔だけにしろ。自殺したいのか」と言われました。
 今はどちらも達成して、今度は中国語も出来ないのに上海にある会社に転職して、中国で生活しつつ、仕事を始めています。
 人は思ったよりも出来るもんなんです。考えるだけでは足りない。行動することが大切なんです。
 日本は、上海から見ると、自信なくし過ぎに見えます。そりゃ色々問題があるのは分かりますが、インフラも人的リソースもまだまだ恵まれてます。悲観的になるだけでは何の意味もない。挑戦し、行動することが大切なんです。
 僕は自分のフィールドを日本から中国、アジアへ広げて、人がどんだけ出来るようになるのかを示します。その輪が広がると、未来がちょっと面白くなるでしょ?
それが僕のミッションです。

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最初は、もっと具体的なキャリアパス的な話をしようかと思ったんだけど、面白くないし、自分にもっとしっくりくる話にしようと、行きの電車で全部替えました。
結果、制限時間内に終わらず、一人だけ時間切れベルをならされることにw

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2009年9月27日 (日)

MOT/MBAメモ

以前、MOT/MBAに興味を持って、いろいろなMBA関係の説明会に行って調べたりしたことがあるので、メモにまとめたものを公開します。

・アメリカのフルタイムMBA
ハーバードとかスタンフォードとかウォートンとか、いわずとしれた超一流MBAを含むMBA取得の王道。トップ校ならレベルも学生もブランド力も抜群で、いわゆるビジネスエリート入りも夢じゃない。しかし、フルタイムの2年制が一般的で、社費留学じゃなければ其の間会社を休むか辞めるかしなければならない。資金も死ぬほどかかって、あるウェブサイトの試算ではHBS(ハーバード)は損失機会も含めて3500万だと。そうでなくとも一般的に1000万~2000万はかかるといわれる。平均年齢は27歳程度と、若い。

・ヨーロッパのフルタイムMBA
日本ではアメリカほど知られていないが、実は超一流校も多い。特にINSEADやHECは知名度抜群。INSEADはフランスとシンガポールにキャンパスがあって、学生もバランスよく多国籍。また、アメリカと違って1年制が多い。とはいえフルタイムなので社費留学じゃなければ会社を辞めるか休むかしなくちゃいけないし、なんだかんだいってやっぱ1000万はかかるようだ。 平均年齢はアメリカより高く、30歳程度。

・欧米の通信制MBA
結構多いし、評価の高い学校もある。インペリアルカレッジもやっている。ハーバードもエクステンションスクールで経営学を開講している。欧米の大学の教育を日本で受けられるというのはいいけど、やっぱ学生同士のネットワークという点では不利じゃなかろうか・・。

・国内MBA
 パートタイムも充実していて、通信もある。仕事しながら受けやすく配慮されている。費用も海外に比べれば安い。ただ、歴史が浅く、日本語ということもあって、グローバルでの知名度は低い。評価も定まっていないので、どこが自分の目的に合うか自分でちゃんと調べないといけない。 実は転職では評価されるどころか、状況によっては却って不利になる場合もあるので注意。

 以下は、国内MBA/MOTコースのメモ。どの学校でも説明会では講師/学生とも「ウチが一番!」「絶対後悔しない!」と主張しているが、やっぱ学校によってカラーが見えるのが面白い。

・慶応ビジネススクール(KBS) 一番有名だが、フルタイム2年制。費用も500万ナリと、国内ではトップランク。卒業生は、ビジネス界の有名人も多い。

・早稲田ビジネススクール(WBS) MOTも教えていて、夜間や週末集中コースなど、社会人に配慮している。講師も充実。費用は2年で350万くらい。

・筑波大学大学院ビジネス科学研究科 結構歴史が長い。研究や理論に重きが置かれていて、ITやファイナンス重視。数理科目が多いので、理系のMBAと呼んでいる人もいるみたい。卒業生は起業家や大学教員の道に進む人が結構いる。国立なので、学費は安い。博士課程もある。説明会も行ったが、平均年齢は高い印象。

・多摩大学MBA 多摩大はMBAに結構力を入れていて、中谷巌や、田坂広志など有名教授をそろえている。日本発MBAというのがうたい文句。平均年齢は40歳代と結構高い。授業料は230万程度と私大にしては安い。

・東大大学院経営戦略学専攻 いわゆる東大MOT。専門職大学院ではなく、普通の修士課程。学部から上がってくる人が大半。学生のブログとか見てると、やっぱ研究に重きを置いている風で、専門職修士とは目的が違う感じ。

・東京理科大MOT 説明会に行った。予想以上に講師が充実。週末と夜間に集中していて、社会人に配慮。費用は2年300万だが、無利子無審査の融資をしてくれるとのこと。個別相談会でOBや先生と話したが、理科大らしい温かい雰囲気がある。学生同士のつながりは強そう。 社会人onlyで平均年齢は高め。

・東工大MOT 国内MOTでは一番有名。とにかく授業料が安い。2年で150万弱といったところ。しかし、ウェブサイトもパンフレットも貧弱で情報量が他校に比べ圧倒的に少ない。学生比率を見ると、半分近く一般学生で、普通の修士課程と専門職修士課程の中間っぽい雰囲気。

・ボンド大学-BBT MBAプログラム 大前研一が経営する会社が主催しているプログラム。通信で、オーストラリアの大学のMBAが取れるというのが売り。説明会に行ってきた。通信環境さえあれば、どこにいてもコースに参加できるのがよい。通信教育のネックであるディスカッションの克服は考えているとのこと。出席していた二人のOBはやたらとキャラが濃かった・・。良くも悪くも大前研一塾のよう。費用は、オーストラリアドルなので、今安くなっているそう。200万くらい。

・グロービス経営大学院 HBSのケースメソッドを基本にしたコース。評判はまわりでちらほら聞く。堀さんの講演を聴いた。参加者がみんな背広でちょっと圧倒された。「志」を理念に掲げており、アントレプレナーシップをかなり重視する雰囲気。ウェブサイトを見ると学生同志の活動がかなり活発そう。とにかく体育会系の熱さがある感じ。多分商社出身の堀さんのカラーなんだろう。費用は2年で270万くらい。インターナショナルMBAもあるので、英語でコースも受けられる。

国立大学大学院の経営研究科は、ビジネスの現場での応用というより、研究に重きをおいている。私大や民間のMBAコースはそれに比べるとビジネス応用に力点が置かれていて、かなり雰囲気が異なった。大学の場合は、修士論文が必要な場合が多く、民間は不要な場合が多い。

どの教育機関を選んでも、結構負担は大きいと思うので、よく考えて選ばなきゃね。

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2006年5月21日 (日)

半導体の確率統計3:代表的な分布3

今回は、連続型分布のうち、工業製品の寿命分布を表す際に重要な3つの分布を説明します。

2-2)指数分布(exponential distribution)

λを定数として、指数分布の確率密度関数は次のように表せます。

Exp_dis

ここで、λを故障率、xを時間とすると、故障率が一定の場合の工業製品の寿命分布に適用できます。さまざまなλに対するf(x)のグラフは次のようになります。

Exp_graph_1

x=0でf(x) は最大値をとります。このx=0(時間0つまり出荷直後)付近での製品不良を初期不良と呼びます。

この指数分布に当てはまる事象は、故障率一定の場合の製品寿命や偶発故障までの待ち時間のほか、偶発的な災害までの年数も当てはまるといわれています。つまり、大地震や原発事故などは、地球上のどこかで2日連続で起きても理論上は不思議ではないともいえます。

2-3)ワイブル分布(Weibul distribution)

ワイブル分布の確率密度関数は、定数α,βを用いて次のように表せます。

Weibul_1

これは、故障率が時間と共に変化する場合の製品寿命に適用でき、m=1の場合が指数分布に一致します。αを形状パラメータ、βを尺度パラメータと呼び、パラメータを変化させることによってさまざまなデータを近似できます。半導体の場合でも、TDDB(酸化膜経時破壊)の信頼性予測に一般的に適用され、その他の信頼性予測にも広く活用される重要な分布です。

β=1の時のワイブル分布のグラフは下のようになります。

Weibul_graph

α=5のとき、f(x)が1を超えています。これは、データをワイブルプロットで近似するときにα、βの選び方に注意が必要なことを示しています。

2-4)対数正規分布(log-normal distribution)

非常に長い時間の単位で生じるランダムな事象の場合、時間の対数を横軸にすると正規分布に従う場合があります。この場合は、対数正規分布を適用します。その確率密度変数は以下のようになります。

Log_nomal_1

期待値Eはexp(μ+σ^2/2)、

分散Vはexp(2μ+2σ^2)-exp(2μ+σ^2)

です。

これは、半導体ではエレクトロマイグレーションに起因する寿命分布を近似する場合によく使用されます。E=1の時の対数正規分布のグラフを下に示します。

Log_nomal_graph

他にもたくさんの分布関数がありますが、半導体で使用する主な確率分布は以上のものです。これらを、予測したい事象によって使い分けることになります。大まかな用途としては、品質管理と信頼性予測があげられます。次からは、それらを簡単に紹介したいと思います。

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2006年5月20日 (土)

半導体の確率統計2:代表的な分布2

2)連続型確率分布

 連続型確率分布は、確率変数xが連続な値をとる分布のことです。

2-1)正規分布

正規分布(normal distribution)またはガウス分布(Gaussian distribution)は代表的な連続型の分布で、自然界や人間界の数多くの事象に当てはまり、統計学の基礎をなす非常に重要な分布です。

正規分布の密度関数は、

Normal

と表せます。ここで、μは平均、σ^2は分散であり、この分布をN(μ、σ^2)と表します。

下に、正規分布N(0,σ^2)についてσ=0.5,1,2のグラフを示します。

Normgraph

ここで特にN(0,1)を標準正規分布と呼び、Z=(x-μ)/σと変数変換を行うことで、すべての正規分布は標準正規分布に帰着可能です。標準正規分布の値は、たいていの確率の教科書の巻末に表としてついています。

正規分布に従う例は、数多く、測定誤差は正規分布に従って生じることから、測定をすれば必ず正規分布が関係します。また、さいころの目の和のようなランダムで独立な事象の和は正規分布に従います(中心極限定理)。

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2006年5月13日 (土)

半導体の確率統計1:代表的な分布1

どの事象がどの確率で出現するかを表した分布を確率分布と言いますが、確率分布には大まかに離散型確率分布連続型確率分布があります。

1)離散型確率分布

これは、例えば赤玉と白玉を混ぜた壷からある個数の玉を取り出したとき、その中に赤玉が二つ入っている確率はどのくらい?といった、事象が1,2,3・・・といった離散的な値をとるときの確率分布です。このとき、最もとる確率の高い値を期待値と呼びます。ある母集団からn個の試料を抜き取り、その中の事象の出現数がx1,x2・・・xkを取る確率をP1,P2,・・・Pkとすると、

期待値E(x)=∑xiPi=nP

と表されます。分布のばらつき具合を示す分散V(x)はV(x)=E[((x-E(x)^2]、標準偏差D(x)はD(x)=√V(x)と定義します。

離散分布で代表的な分布を2つ紹介します。

1-1)二項分布

2種類の可能な結果を生じる実験があるとして、一方の結果をAとしてその確率p、他方をBとしてその確率を1-pとします。これを同じ条件で独立にn回繰り返すことをします(ベルヌーイ試行)。Aがx回、Bがn-x回生じるとすると、その確率は次のような式に従います。

Bionominal_1 

この式に従う分布を二項分布(bionominal distribution)と呼び、Bi(n.p)で表します。その期待値、分散はそれぞれ、

E(x)=np、V(x)=np(1-p)となります。

これは、例えば上記の赤と白の玉が混ざった壷からn個の玉をとりだしてそのうち赤玉がx個出る確率とか、コインをn枚投げて、そのうち表がx個でる確率などが、この分布に従います。

1-2)ポアソン分布

二項分布のうち、nが大きくpが小さい場合、例えば、工場での事故件数や、製品のキズの数など、大量の試料の中でまれにしか起こらないような事象は、ポアソン分布(Poisson distribution)に従います。期待値としてmを持つ母集団の中で、x個の事象が存在する確率P(x)は、ポアソン分布に従って次のように表せます。

Poisson

ポアソン分布における期待値と分散は、E(x)=V(x)=mで、期待値と分散は等しくなります。

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2006年5月12日 (金)

確率統計の勧め

社会に出て一番役に立つ数学の分野ってなーに?

と、聞かれたら、僕は間違いなく確率統計と答えます。

世の中の森羅万象は決定論的なものなど殆どなく、確率で物事は動いています。

まず、工学系の仕事に携われば、必ず品質ばらつきや、歩留まりといったことを考えなくてはなりません。どんな技術者でも確率統計のセンスは必須です。

文系の仕事でも、金融関係は確率論の世界です。株も確率、保険商品も確率で、金融工学は高等な確率論を使用します。

こんな専門的な仕事でなくとも、確率の基礎知識があるだけで変な理屈に騙されなくて済むことは多々あります。

かように、広い分野で役に立つ確率統計ですが、学校教育では不思議なくらい軽んじられてます。高校数学では最後に付け足しのように薄っぺらい教科書でやるだけですし、大学でも専門で学ばない限り、教養でさらっとやっておしまいです。

このような勉強しかしてない人間が会社に入って技術者始めると、僕みたいにワイブル分布と対数正規分布の違いも分からず故障率のグラフを描くようなアフォ技術者になっちゃったりするわけです。

もっと学校での確率統計を重視してくれ!文部科学省!

不勉強を政府のせいにするこんな僕でも、昨今の微細化によるばらつき問題の前に、さすがにこれではまずいと思い、遅まきながら勉強をしました。そこで、使ってみて結構よかった教科書を3冊上げてみます。

1)基礎統計学I 統計学入門 東京大学出版会

統計学入門

統計学の基礎を初歩から学ぶには最適だと思います。とても丁寧に説明されていて、途中に挿入されるトピックが実に興味深いです。これは読んでて面白かった。技術者だけでなく、確率に興味のあるすべての人にお薦め。

2)新版 品質管理のための統計的方法入門 鉄健司 著 日科技連

新版 品質管理のための統計的方法入門  

これは、統計を品質管理に使うための手法の入門編。検定と推定、管理図などの初歩が説明されています。使用している数学自体はそんなに難しくないのですが、これらの手法を実際に応用しようとすると結構歯ごたえがあります。何回も練習しないと身につかないです。練習問題があるので、グッド。

3)はじめてのデバイス評価技術 二川清 著 工業調査会

はじめてのデバイス評価技術

これは、半導体デバイスの評価技術全般を扱った本なのですが、信頼性解析に必須のワイブルプロットの作り方が丁寧に書かれています。半導体デバイスの技術者は最初にこれを読んで、ワイブルプロットとは何かを理解して仕事をするのをお薦めします。

と、いうわけで、次回から、僕の復習もかねて、半導体に必要な確率統計の知識をさらっとレビューしたいと思います。

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