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2010年2月26日 (金)

日本における半導体製造業の展望

日経エレの電子サイト「Tech on!」で、興味深い記事を見つけました。

提言:日本に専業Siファウンドリを

  • 第1回:日本の半導体メーカーの特徴 
  • 第2回:日本の大手半導体メーカーへの提言 
  • 第3回:日本の中堅半導体メーカーへの提言 
  • 最終回:日本の小規模半導体メーカーへの提言 
  • これは、ドイツのシリコンファウンダリに勤めている日本人の方が書いたコラムで、非常に面白い分析が載っていました。

    例えば、この図を見ると、実は日本は世界で最も大きなウェハ製造能力を抱えていることが分かります。ファウンダリ王国の台湾より上というところが意外でもあるのですが、内訳を見てみると、実態としては150mm以下の小さな口径のウェハの製造能力の割合が大きいことが分かります。また、1工場あたりの生産能力は、台湾や韓国よりずっと小さいのです。つまり、全体での生産能力は大きく見えても、古くて低い生産能力の工場を多数抱える、非効率な状態になっているというわけです。

     大手のIDMでは、300mmウェハの最先端工場は大きな生産能力を持つものの、損益分岐点はびっくりするほど高いままです。この点は何年も前から指摘され、関係者もプロセスコスト低減に一生懸命努力しているように見えるのに、一向に改善しないのはなぜなんだろうと疑問に思っていましたが、次の内容を読んで、とても腑に落ちました。

     a)最適な生産量と製品を最適なラインで生産するのは,難しい“パズル”を解くようになるケースがある。これは,同じ線幅に対応できるラインが複数存在し,お互いの工場間でもラインを奪うための駆け引きがあることによる。

    (b)抱える製品の競合も大手半導体メーカーや大手ファブレスとなり,最先端工場で製造することが,製品の競争力を維持するための必要条件となる。自社でその製造をまかなう戦略の場合,継続的な投資が必要になる。

    (c)200mm品の生産は300mmラインへの移植が可能だが,300mmラインを埋めるには不十分な場合がある。

    (d)古いラインの製品群を大口径工場へ移植する場合,時に経済合理性に合わないことがある。

    (e)製品供給責任などの問題から,古いラインを閉めることができない場合がある。その場合,すべての工場の稼働率が低く,固定費負担が重くなるという問題に直面する。

    (f)製品競争力の維持のためには,製品の進化(設計)と工場の微細化への投資の両方が常に要求される。

     なるほど・・・これだけ明快にIDMのビジネスモデルの弱点を指摘している論説を始めて見ました。自社で多数のラインナップの製品を製造していると、一方で最先端プロセスへの継続投資が要求され、一方で供給責任から古いラインを閉めることが出来なくなり、非効率な構造のまま運営せざるを得ない状況になってしまうと。ファウンダリなら、様々な会社の製品を流すことで工場の稼働率を高く維持できるが、自社製品だけだと、大きな生産能力の工場は逆に余剰能力に悩まされてしまうというわけか・・。

     実際、工場のラインを埋めるために赤字覚悟で製品を生産するということがありました。

     IDMの舵取りは、なんだか複雑なパズルを解くような感じですね。道理でなかなか業績が上がらないわけだ・・・

     筆者は大手IDMはファブライトモデルに移行することを推奨しています。現状、ルネサスエレクトロニクスはファブライトを標榜しているし、富士通はTSMCと提携を発表しているし、どの大手メーカーも大体ファブライトの方向に進んでいます。

    しかし、筆者は次のようにも指摘しています。

    (ア)実行に時間をかけること。せっかく工場をスリム化し,製品と製造の最適化,将来への真のファブライトへと戦略を決めたとしても,その実行に時間がかかると効果は半減するどころかマイナスになる恐れさえある。

     経営判断が遅いことで定評のある日本の半導体メーカーがどれだけ迅速な戦略実行が出来るかがポイントでしょうか。

     第3、第4回の中堅、小規模メーカーへの提言も興味深いです。

     一方、ファウンダリ業界のガリバー、TSMCは2010年の設備投資額を48億米ドルにするとぶちあげています。

    http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20100224/180590/?ST=silicon

    日本のメーカーが不況にあえだのを尻目に、2009年通期で30%もの営業利益率を確保しています。また、損益分岐の稼働率は40%と日本メーカーと比べ物にならないほど低いです。恐るべしTSMC。

    記事には次のように書かれています。

    TSMCのLSI業界における地位はさらに盤石になっている。高収益性だけではなく,貸借対照表(株主資本比率83.9%、ROE18.4%)やキャッシュ・フロー(2009年時点のフリー・キャッシュ・フローが19億3000万米ドル)の点でもLSI業界屈指である。これに今回の設備投資増額が加わることで,ウエハー処理能力ベースの市場シェアやコスト競争力は,さらに高まる可能性が大きい。その結果,低収益にあえいでいたり企業規模が十分でなかったりするために大きな設備投資を実施できないIDM(integrated device manufacturer:垂直統合型LSIメーカー)は,Siファウンドリーへの依存を高めざるを得ない状況になる公算が高い。日本の半導体製造装置・部材メーカーからの観点では,同社に食い込むことの重要性がより一層増していることを示唆している。

    こりゃもー、すでに勝負はついていますかな・・・

     

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    2010年2月 9日 (火)

    【小鳥ナイト01】はじめての人向けヒューマンビートボックス講座(講師:daichi) に参加しました

    いちるさん主催の「小鳥ナイト」に参加しました。

    講師は、19歳のDaichiくん。一見普通のよい子なのですが、ヒューマンビートボックスをさせると驚くべきスキルをもっているという。

    ヒューマンビートボックスは、真似すると単につばを飛ばしているだけになっちゃうので、一度習ってみたいと思い、参加しました。

    Daichiくんのヒューマンビートボックスは、実際に聞くと全然人の口から出てるとは思えないクオリティです。

    詳細は、いちるさんや他の方の記事に書いてありますが、とにかくいい子!50人近くいる参加者の一人ひとりに回って、熱心に教えてる姿がよかったー。

    Image209

    スクラッチとか、バスドラムとか、全然思った音は出なかったですけど、練習の筋道だけでも教えてもらえてよかったです。つばを飛ばしまくりですが・・。

    Daichiくんは、カストロールのCMで猿人になってビートボックスをやってますが、

    http://enjin.me/

    daichiくんのヒューマンビートボックスレッスンもあります。今回の小鳥ナイトでレッスンした内容は大体網羅していますので、お勧め。 ENJIN × Daichi HOW TO BEATBOX LESSON1 ENJIN × Daichi HOW TO BEATBOX LESSON2 ENJIN × Daichi HOW TO BEATBOX LESSON3 当日の数々のトラブルにも負けずに小鳥ナイトを実現したいちるさんお疲れ様です!その後の打ち上げもとても面白かったです。 最後に、Daichiくんには、こんな小さなファンもついてます!

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