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2006年12月20日 (水)

今年のまとめ:今年の半導体業界は

最近、半導体業界の話題を書かず、自分の身辺日記と化しているはんどー隊ブログです。まことにすいません。

さて、年の瀬も迫ってきたので、今年のまとめをいろいろと書いてみようと思います。

2006年の半導体売上ランキング予想が今年も各調査会社から出てまいりました。

EETIMESによると、ICインサイツ社は上位15社をこのように予想しているようです。

http://www.eetimes.jp/contents/200611/12313_1_20061102154316.cfm

20061219 

ガートナーは10位までのランキングを出しています。

ガートナーとICインサイトでは、ファウンダリやファブレスの計上や、分社した会社の売上の扱いが違っているので、ランキングに若干違いがあります。

しかし、共通した傾向はいくつかあります。

まず、インテルの失速です。1位はキープしていますが、売上が1割ほど減ってしまいました。対照的に順位を伸ばしたのがライバルのAMDで、ガートナーでは初めてトップ10に入りました。微細化による低コスト化と高性能化の両立が年々難しくなり、いち早くマルチコア技術に着目したAMDに製品の優位性を奪われてしまったというところでしょうか。時代の移り変わりを感じますね。しかし、インテルも圧倒的な資金力でマルチコアCPUを開発しているので、来年はどうなるかわかりません。

2位のサムソンも定位置キープです。ただ、ここも一時の50%もあった圧倒的な利益率が低下してきています。企業として成熟してきているということでしょうか。そのかわり、同じ韓国のハイニックスが大きく伸びたようです。

さて、日本はというと・・・大手は軒並み順位を下げたみたいですね('A`)

まず、ICインサイツで4位(ガートナーで5位)の東芝は、NANDフラッシュでかなり売上を伸ばしたみたいですが、円安の影響で順位が伸び悩んだようです。

ルネサスは、ICインサイツ・ガートナーともに7位です。合併してからじりじり順位を下げてますね。株式上場はするんでしょうか。てか、未だに日立の姿が見え隠れしているのは大丈夫なのでしょうか・・?

そして、NECエレクトロニクスは、とうとうトップ10から落ちました。かつての世界1位はどこへやら・・。順位が落ちるたびに「2位くらいが風当たりが少ない」とか、「DRAMを切り離したから」とか、言い訳ばかりでしたが、今回もあまり危機感を感じられません。こんなんで大丈夫なんでしょうか。

日本勢では、エルピーダが順位を上げたみたいです。今年はDRAMが好調で、積極投資が当たったみたいですね。一時はどこからも見捨てられていた企業をここまで復活させるとは、坂本さんはやはり只者ではないですね。

今年は、NECエレ・東芝・ソニーが連衡したり、日立が音頭をとった日の丸ファウンダリの企画が潰れたりと、日本の中で業界再編を模索した年でした。

でも、まだ中途半端さが否めないですね。

日本の半導体の凋落振りは、いろいろな人が分析していて、処方箋がこれでもかと出されています。

先日も、日経Tech on!に、阪大の赤坂先生という方のインタビューがのっていました。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061218/125560/

みなさんおっしゃることは大体一緒なんですよね。技術者の能力は優秀だが、経営判断が遅い、低コスト化を怠った、DRAM黄金期の感覚から抜け切れていない、アジア市場で出遅れている、そして日本に半導体メーカーが多すぎるetc・・・

この程度のことは、経営幹部なら何度も聞いたり読んだりしているはずなんです。なぜ実行しないのか。そこのほうが知りたいですね。

この業界にいるとですね、企業の業績というのは、技術力だけではどうしようもないというのが骨身にしみます。エルピーダの坂本社長を例に引くまでもなく、やはり、経営力というのがものすごく大きいキーポイントですよね。技術力はベースとして必要ですが、それを企業の業績に生かしていく力がそれ以上に必要なんですよね。

半導体の技術力を生かしてこの先伸びていける企業形態、企業経営とはなんだろう?いやおうなく考えさせられます。

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コメント

> 半導体の技術力を生かしてこの先伸びていける企業形態、企業経営とはなんだろう?いやおうなく考えさせられます。

同感です。

ところで、このテの分析では必ず「技術力はある」と書かれてますが、技術力の高さを示すデータってあるんですかね。

最近は本当に技術力が高いと言えるのか、ちょっと疑っています。実は技術力にも問題あるのに、そこに触れずに議論しても問題解決にならないのではないか、と怖れています。

投稿: Mustang@Duke | 2006年12月23日 (土) 02時12分

>Mustangさん
おひさしぶりです。
そうですね、鋭い指摘ですねー。
IEDMや、ISSCCといった主要国際学会での日本企業からの採択論文数は長期低落傾向にあります。
なので、研究開発力は相対的に低下してきているといえそうです。
昔から定評のあった生産技術、つまり量産立ち上げの速さや、歩留まりの高さという点では、定量的に海外企業と比較したデータは手元にないですが、実感としては技術力は以前と遜色なく高いと思います。
商品開発力に関しては、どの点を指標にするのかは難しいところですが、売り上げが伸びないということは総合的に見れば開発力は海外に比較して高いとはいえないということだと思いますね。
つまり、組織としての技術力は、一部落ちてきていると言えそうな面があると思います。
一方で、エルピーダで経営者が坂本さんに変わったとたん、強い新製品が開発されてシェアをアップできたように、技術者個人の潜在力は高いとも感じます。
半導体業界に関していえば、「技術力は高い」というのは、この「個人としての潜在能力は高い」ということも含まれているんじゃないかと思います。定量的に述べるのは難しいですけどね。

 しかし、技術力と一言で言っても、組織としてどの面の技術を強化するか、というのは経営戦略そのものであるので、経営と切っても切り離せないですよね。やはり経営判断がなくて、今までの日本のメーカーの「技術力」が時代に合わなくなってきた、というのも、利益が低迷する大きな原因のひとつでしょうね。

投稿: ちぶぞう | 2006年12月24日 (日) 02時10分

やっぱり「技術力」の細かい分析が必要ですよね。

「商品開発力」には、さらに「商品企画力」が混ざっている気がします。マーケティングと呼ばれるものですね。ここまで来ると技術と呼ぶのは違う気がしますが、ハイテク企業の場合、技術系人材でないとなかなかできないことなので、「技術力」ではなくても「技術者の能力」に含まれると思います。

指摘の通り、こういうのって、日本企業全体を対象にするより、各企業で経営戦略の一部としてやるべきですね。

投稿: Mustang@Duke | 2007年1月 5日 (金) 07時43分

>Mustangさん
>「商品開発力」には、さらに「商品企画力」が混ざっている気がします。
そうですね。「商品企画力」+「設計力」でしょうね。
どちらも欧米企業に比べると日本企業は強くないと言われますね。
本来は、半導体の「商品企画力」って技術の理解と宮田秀明教授いわくの「構想力」が必要とされそうですね。それらを併せ持ったアーキテクトと、開発した商品に経営資源を投入する経営判断の両方があるといいんでしょうね。

そういう人材に、自分もなれると・・いいなあ・・・

投稿: ちぶぞう | 2007年1月 5日 (金) 23時05分

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