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2006年10月30日 (月)

柏キャンパス一般公開

東大の柏キャンパス一般公開を見に行ってきました。

 

柏キャンパスを開放して、柏キャンパスの各研究室の成果を一般人にも分かりやすく説明してくれる企画なのですが、予想以上に面白かったです。

 

子供にも分かりやすいようにロボットやラジコンのような興味を引くものを使ってデモンストレーションを行っているし、スタッフの若手研究員も親切に相手の理解度に合わせて説明してくれます。理科系の研究って専門外の人間にとっては難しくて普段は何が面白いのかさっぱり分からないんですけど、理解できるように説明されるとその面白さがちゃんと分かりました。

 たくさんの展示があって、一つ一つちゃんと説明を聞くと30分は優にかかるので、とても全部は見切れませんでしたが、印象に残った展示をいくつか紹介します。

 

まずは、強磁場の研究の展示。

20061029kasiwa1

デジカメを持ち込むと強磁場のせいで壊れるので、写真は取れませんでしたが、興味深いものがたくさんありました。

一つは、強力な電磁石コイルの中央にある穴にアルミ缶を落とすとどうなるか。アルミは磁性はないのですが、磁束の変化を妨げるように誘導電流が流れるので、ゆっくりと落ちていきます。穴の上に紙をしいて1円玉を立てるとゆっくりと倒れます。

また、水は反磁性という性質をもっているので、それを利用すると磁場の中で水の玉を宙に浮かせることも出来ます。強力な磁場の中では、水が割れるというモーゼ効果という現象も見せてもらいました。そのような物質の磁性を用いて粒子を分離するとか、金属粒子の自己組織化の実験などもやってました。ここは分かりやすくてかつ興味深い展示がたくさんありました。

 

20061029kasiwa2  これは、X線の研究室で、従来の振幅強度を検出するX線スキャンではなく、位相のずれを検出するX線スキャンの研究をしているようです。なんでも、振幅型の方法より、1000倍感度が高いそうで、従来骨しか見えなかったところが、内臓組織まで見えるようになるという、とても有望な技術です。今は実験室レベルですが、筋がよさそうなので、これから楽しみですねー。

 

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これは、脳の微弱な磁気を計測して、脳の活動を調べる装置。デモンストレーションでは、来場者のα波を測定してました。特徴は、3次元的かつ時系列で測定できることだそうで、脳の活動部位がどのように連動して知覚に関与するかが分かるそうです。この装置は液体ヘリウムを使うので、その管理や、微弱な磁気を計測するため、同じ実験を何百回も繰り返さないとまともなデータがとれないなど、研究の苦労も垣間見れました。そーなんですよね。どんな研究も日々の地味な苦労の積み重ねなんですよね・・。

 

20061029kasiwa4 これは、脳型情報処理をするVLSIの研究です。一応、LSIの仕事をしているのと、脳型情報処理技術にちょっと関心があるのとで、興味深く見ました。主に画像認識に関して、脳型の認識をハードウェアとソフトウェアの両面から研究しているようです。試作したチップも展示してありました。

 

この動画は、声で動く飛行船のデモンストレーションです。「前」とか「戻れ」とか「ストップ」とかいう声で飛行船に指示が出来ます。

これは「ストップ」の指示がうまく伝わってませんね・・。

 

この動画は、手持ちプロジェクタで地面に写した道で亀ロボットを誘導してゴールまで運ぶ遊びです。プロジェクタに位置検出センサがついていて、サーバを介して無線でロボットに指示を出しているそうです。

 

この動画は、クレーターを作る実験です。小指の先くらい大きさの弾丸を時速700kmで地面に飛ばしてクレーターを作ります。弾丸の何十倍もの直径になることを実感できました。

 

20061029kashiwa4

これは、ノーベル賞をとった小柴教授の研究施設であるスーパーカミオカンデの模式図です。鉱山の一番奥に巨大水槽を設置して毎日観察しているのです。ここは岐阜の神岡鉱山にあるのですが、かなり辺鄙な山奥で、近くにある唯一の無人駅も近く廃止されるそうです。研究者は住民票も移してこの近辺に住んでいるそうです。特に独身の研究者はここの元鉱夫専用の寮に泊まって毎日トロッコで鉱山の奥深くまで通っているそうです。昔は、一週間交代で実験装置の番をしていたそうで、トロッコも8時間に一回しか通らなかったそうです。研究者はトロッコの免許も鉱山の下まで降りるリフトの免許も取って研究しているそうです。説明してくださった秘書の方は、「こんなところだから嫁がこないのよー」と嘆いていました。そんな2重3重に過酷な状況を研究への情熱でみんな切り抜けているそうです。研究者ってすごいですね。

 

他にもたくさん面白い研究があったのですが、とても紹介し切れません。でも、普段関係ない分野の研究を見るのって本当に面白いですね。自分の日常の後ろにこんな世界が広がっているというのを知る楽しみというか。

それと、自分の好きな研究を説明しているときの研究者のきらきらした目がとても印象的でした。最後のカミオカンデを説明してくれたベテランぽい秘書さんも「ニュートリノってとーーーーーっても面白いのよ」と熱く熱く語ってくれました。

 

こういうのを見ると、最近はやりの利益追求型の産学連携もいいけど、この研究者たちの「応用先はよくわからないけど、とにかく面白くてやってるんだ」っていう情熱もいいなと見直しました。

企業にいると、こんなばかばかしいほど壮大な研究には縁がないので・・。

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10月28日(金)と29日(土)に東大柏キャンパスが一般公開されるそうです。なんか難しい言葉が並んでるけど、面白そうな内容なので行ってみようかな。東大に行く機会なんて、たぶん一生ないだろうしw 東京大学 ... [続きを読む]

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