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2006年9月13日 (水)

戦略的社費留学制度のすすめ

大手メーカーでは、社員を海外に社費留学させる制度があるところが多いと思います。

自分の勤務する会社にも、社費留学制度があります。

しかし、あまり効率的に運用されているように見えないんですね。

社費留学までのプロセスは、希望者が立候補して、事業部長がその中から推薦者を決め、人事に上げて審査するという形です。そして、合格者は、留学する研究室を自分で決定して1~2年留学します。

要は、行きたい人が行きたいところに行く制度なんですね。社員を一人アメリカ西海岸の大学に技術留学させると、留学先の研究室への援助金、住宅費、生活費などで、1000万は下らない費用がかかるといわれます。MBAならもっとですね。それだけのお金を投資しながら、そこには会社としての戦略がまるで見えません。成果も厳しく問われることがないので、バケーション感覚で行く人もいます。挙句の果てに留学後すぐに転職された日には、投資金額が丸損になりかねません。

やはり、「行きたい人を行きたいところに行かせる」のではなく、会社として「行かせたい人を行かせたいところに行かせる」観点が必要なのです。会社の戦略として強化したい分野、市場があるはずであり、それに沿った人材と留学先を決める必要があります。次世代デバイスのシーズを探索したいのか、ソフトウェア技術を強化したいのか、目的によって選ぶ研究機関は違うはずですし、市場としてアジアを狙うのなら、中国やインドの大学に多く人を送るということも選択肢に入るはずです。また、留学する人にとっても、自分のミッションが明確なら、留学の効果もより高まると思います。帰国後は、留学で何を得て、これから仕事にどのように生かしていくのか、投資してくれた経営陣の前でプレゼンする義務があると思います。そして、その後数年間の仕事の成果は、人事にトレースされるべきだと思います。現状は、そのあたりの投資に対するリターンの見極めが甘いといわざるを得ません。

最後に、留学後の転職リスクですが、これについては、帰国後数年以内に退職の際は、留学費用を返還するという念書を書かせて対処する会社も多いと思いますが、職業の自由がある以上、根本解決になっているとは思えません。これはやはり、留学した人材に対して、その能力に見合う魅力のある職場を提供する以外、解決の道はないでしょう。

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