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2006年5月12日 (金)

確率統計の勧め

社会に出て一番役に立つ数学の分野ってなーに?

と、聞かれたら、僕は間違いなく確率統計と答えます。

世の中の森羅万象は決定論的なものなど殆どなく、確率で物事は動いています。

まず、工学系の仕事に携われば、必ず品質ばらつきや、歩留まりといったことを考えなくてはなりません。どんな技術者でも確率統計のセンスは必須です。

文系の仕事でも、金融関係は確率論の世界です。株も確率、保険商品も確率で、金融工学は高等な確率論を使用します。

こんな専門的な仕事でなくとも、確率の基礎知識があるだけで変な理屈に騙されなくて済むことは多々あります。

かように、広い分野で役に立つ確率統計ですが、学校教育では不思議なくらい軽んじられてます。高校数学では最後に付け足しのように薄っぺらい教科書でやるだけですし、大学でも専門で学ばない限り、教養でさらっとやっておしまいです。

このような勉強しかしてない人間が会社に入って技術者始めると、僕みたいにワイブル分布と対数正規分布の違いも分からず故障率のグラフを描くようなアフォ技術者になっちゃったりするわけです。

もっと学校での確率統計を重視してくれ!文部科学省!

不勉強を政府のせいにするこんな僕でも、昨今の微細化によるばらつき問題の前に、さすがにこれではまずいと思い、遅まきながら勉強をしました。そこで、使ってみて結構よかった教科書を3冊上げてみます。

1)基礎統計学I 統計学入門 東京大学出版会

統計学入門

統計学の基礎を初歩から学ぶには最適だと思います。とても丁寧に説明されていて、途中に挿入されるトピックが実に興味深いです。これは読んでて面白かった。技術者だけでなく、確率に興味のあるすべての人にお薦め。

2)新版 品質管理のための統計的方法入門 鉄健司 著 日科技連

新版 品質管理のための統計的方法入門  

これは、統計を品質管理に使うための手法の入門編。検定と推定、管理図などの初歩が説明されています。使用している数学自体はそんなに難しくないのですが、これらの手法を実際に応用しようとすると結構歯ごたえがあります。何回も練習しないと身につかないです。練習問題があるので、グッド。

3)はじめてのデバイス評価技術 二川清 著 工業調査会

はじめてのデバイス評価技術

これは、半導体デバイスの評価技術全般を扱った本なのですが、信頼性解析に必須のワイブルプロットの作り方が丁寧に書かれています。半導体デバイスの技術者は最初にこれを読んで、ワイブルプロットとは何かを理解して仕事をするのをお薦めします。

と、いうわけで、次回から、僕の復習もかねて、半導体に必要な確率統計の知識をさらっとレビューしたいと思います。

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