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2006年4月21日 (金)

web進化論と半導体進化論2

 梅田先生によれば、ネットの「こちら側」にある端末は、「チープ革命」によってどんどん値段が下がっていきます。

それは当然半導体部品への値下げ圧力となるので、競争はより厳しくなるでしょう。

普通の半導体製品は、台湾やBricsのような人件費が安く、かつ優秀な人材の居る地域のメーカーが製造には有利になっていくでしょう。この点、一般にコストの高い日本の半導体メーカーはますます厳しい状況に追い込まれるのではないでしょうか。

ここで利益を出す戦略としては、一つはインテルのCPUや、TIのメディアプロセッサのように自社の製品を端末の中核部品として業界標準とすることです。市場を制することによって価格もある程度制御することが出来るので、利益の出るビジネスが展開できます。これはどちらかというと、アメリカのメーカーが得意な戦略のようですね。最終製品の原価は、中核部品が大きなウェイトを占め、そのほかの半導体部品はひたすら値段を叩かれることになります。中核部品が握れないと実に厳しい。今のところ、パソコンはインテルが制し、携帯のプロセッサはTIが優位な状況です。また、CDMAのベースバンド処理用半導体はクアルコムが制してますね。日本は、ルネサスのSHシリーズのように優秀なMPUもあるので、どこかの市場を制したいところです。今のところ、ロボット向けや自動車向けはまだ可能性があるんじゃないでしょうか。

中核製品を握る戦略は、どちらかというと技術と資本力のある大企業がとりやすい戦略だと思います。

これに対して、チープ革命を自ら主導してしまうという戦略もあります。

具体的には、有機半導体などの新規デバイスを先んじて実用化してしまうということですね。有機半導体は、薄くて曲げられる端末が実現可能な上、印刷技術が応用可能で、実現すればSi半導体素子よりはるかに低コストで大量生産できます。日本には有機半導体を研究している世界的な研究室もあるので、有利な環境ともいえます。こちらは、動きが早く、革新的な技術に抵抗の少ないベンチャー企業の参入余地があるといえます。

また、グーグルの「情報発電所」のサーバ向け高性能LSIを開発するという道もあります。グーグルもデータセンターを山ほど建てているので、ここに納入されるサーバにLSIを供給できれば、結構なビジネスになるのではないでしょうか。こちらは、とにかく高速、高信頼性が要求され、消費電力、コストは優先度が下がるでしょう。携帯向け端末とは対極ですね。こちらはスパコンを開発してきた日本のコンピュータメーカーにも技術的には参入余地があるのではないでしょうか。どちらかというと、営業力の問題かもしれませんが。

ただ、端末向けと比較してどうしてもボリュームは小さいため、メインの事業にはなりにくいでしょうね。

どちらにしろ、「web進化論」の世界では、半導体企業は中途半端な戦略は許されなさそうです。ますます厳しい時代になることは間違いないでしょうね。

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